へら鮒天国TOP > 特集・記事一覧 > 稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第64回 横山天水も大絶賛 新エサ「カルネバ」がもたらす新次元の 軽さ・エサ持ちを体感せよ!


  過日パシフィコ横浜で開催された「ジャパンフィッシングショー」と、インテックス大阪で開催された「フィッシングショーOSAKA」で既に目にした読者諸兄もいるだろう。それはこの5月に発売が決定した両ダンゴ用ベースエサ『カルネバ』だ。新エサの発売を待つワクワクした高揚感はいつものことだが、今回の新エサはそればかりじゃない。フィッシングショーの会場でエサのプロモーションをしていたインストラクター陣の解説からは、自分の釣りがガラッと変わるほどの何かがあるような、そんな期待と予感を記者は抱かずにはいられなかった。そこで発売まで1ヶ月を切ったいま、『カルネバ』の開発当初から関わってきたメンバーのひとり、マルキユーチーフインストラクター横山天水に、新エサの特徴と使い方のポイントについて生解説をオファー。今回は新次元の両ダンゴワールドが垣間見える必見のプログラムだ!  
   
『カルネバ』というネーミングからも分かるとおり、新エサは軽くてネバる特性を持っていることは明らかだ。ただし、この軽さとネバリは従来のものとは一線を画するという。それは実際に使った瞬間分かることだが、単純にレベルが違うというものではなく、今まで体感したことの無いような、まるで異次元の軽さとネバリであることに気づくはずだ。開発にあたっては、まず究極のネバリ(エサ持ち)を実現することから始まったというが、横山をはじめとするスタッフのイメージを具現化することは容易なことではなかったようだ。
「釣り場の状況も昔と今では大きく違うし、ここ数年の移り変わりを見ただけでも4〜5年前の釣り方では通用し難くなっていると感じないかい?へら鮒の大型化については今さらいうまでもないが、その大型のへら鮒がエサ慣れしたのに加え、想像以上に口数が減少してきていることも、釣り方を変えざるを得ない要因になっていることは間違いないだろう。そのようななかで近年僕が感じていたことは、食い頃のエサが持っていない(ハリに付いていない)ことによりアタリが出なくなり、無理に持たせようとして力技でネバらせたり過剰に増粘剤を加えたりすることで、さらに状況を悪化させてしまうアングラーが意外に多いということ。もちろんエサを持たせることは両ダンゴ釣りの基本なのだが、現代両ダンゴ釣りでは単に持たせるだけではなく、適度なエサの開き(膨らみ)がなければアタリにつながらない傾向が明らかだ。ところがこのネバリと開き(膨らみ)は相反するものであり、両立させることは容易ではない。今回約3年という長い時間をかけてテストを繰り返すなかで一から素材を見直し、従来の軽さとネバリという発想をまったく別の角度から見直すことで、ようやくイメージどおりに機能するエサが完成した訳だが、いつも以上に研究開発部門のスタッフの頑張りには心からエールを送りたいね。」
両ダンゴの釣りには時期尚早であったが、取材フィールドとして訪れた管理釣り場「将監」のへら鮒は新エサに好反応を示した。従来製品と変わることなく普段通りの手順でエサ作りを始めた横山。釣り支度中に新エサの特徴について聞いたものをまとめると、概ね以下のとおりとなる。ちなみに最大の特徴である軽さとネバリのレベルは、マルキユーカタログ等に掲載されている麩系エサの性質表の、バラケ性を示す横軸(右に行くほど弱い)と重さを示す縦軸(上に行くほど軽い)の右上の隅を1ランクはみ出すほどのレベルを有するというから、これだけでも新次元の名に相応しいエサといえるだろう。

■特徴1.軽い(エアーを噛みやすいボソタッチに仕上がる)
ひとことに軽いと言っても『カルネバ』の軽さは単に素材自体が軽いというのではなく、ダンゴエサとして使えるように仕上げた状態での軽さの次元が違うのである。つまり実際にエサ付けした状態で内包するエアーの量が多いため、水中ではエサ本来の重さよりも数段軽く感じられるのである。しかもエアーの噛ませ方次第で、同じエサでも幾通りにも重さを変えることが可能になるという点も見逃せない。記者が試しに横山が仕上げたエサを指先でつまみ取り、軽くまとめただけで水中に放り込むと、一旦沈みかけたエサがゆっくり水面に浮き上がった。次に軽く揉んでから同じように放り込んでみると、一旦水中でサスペンドしてからゆっくり沈み始めた。さらに押す回数を増やして放り込むと、今度はサスペンドすることなく一定速度で沈んで行った。こうした特性は使えるエサ幅が広がることを意味し、時合いの変化にもよりフレキシブルに対応できると容易に推察される。

■特徴2.ネバリが強い(エサ持ちが良い)
このエサのもう一つのキモがネバリであり、開発途上で最も苦心したポイントであると横山は語った。なぜなら単にネバリを出すだけなら、今でも『粘力』や『感嘆』を多量に加えたブレンドで上手く釣り込んでいるアングラーもいるし、新エサとして開発するのであれば新たに加えることが可能な強力な増粘剤はいくらでもあるという。しかし、一般的に増粘剤を増やしたり強めたりするとエサ自体は重くなり、もう一つの狙いである軽さとの両立は不可能となる。しかもへらエサとして成立させるためには、適度な開き(バラケ性)は必要不可欠な要素であり、ネバリはあくまでエサの芯を強化するための補助的な特性でなければならない。いうなれば、ネバリは主役である軽くバラける特性を引き立てるための、脇役でなければならないのだ。 先に述べたように、まず開発にあたっては究極のエサ持ち(ネバリ)からスタートし、両ダンゴの釣りの最盛期である夏場に照準を当て、その時点で持ち過ぎないレベルまでネバリの度合いをマイルドに仕上げるという方向でテストが繰り返された。それに費やされた時間は2年以上というから、この点にいかに苦心したかがうかがい知れる。しかしこの難題を克服したとき、横山ら開発に関わったメンバー全員が絶対に釣れるエサに仕上がったと感じ、両ダンゴの釣りの新たな可能性が広がったと確信。まさに爛優丱雖瓩生んだ勝利といえよう。

■特徴3.ブレンドするエサの特徴を損なわない(※むしろ長所を引き出す)
新エサを使いこなすコツについては、『カルネバ』を軸にしてバラケる麩材を組み合わせることだと横山は言う。今回は基本とも言えるブレンド(開発中にベストと感じた現時点で最高のブレンド)で取材に臨んだが、本格シーズンを前にしたこの時期としては、もっとバラける麩材でも良かったかも知れないと言い、それが確信できればさらに両ダンゴのシーズンが延長される可能性があるだろうとも付け加えた。さらに、今後多くのアングラーに広く使われるようになると、横山ら開発関係者が思いもよらなかったブレンドや使われ方が生み出されるだろうと、むしろこうした可能性に大いに期待もしている様子がうかがえた。無論それにはあらゆるブレンドにマッチする汎用性と柔軟性が必要だが、『カルネバ』にはそれがあると明言する。加えて上手く使いこなすことができれば、ブレンドするエサの長所をさらに引き出し、各々のエサの持つ特性を100%引き出すことも可能だと、新エサのポテンシャルに絶対の自信を持って語った。

■特徴4.追い足し可能(軽さ・ネバリを途中で変えられる柔軟性)
これも『カルネバ』ならではのメリットであるが、これだけ強いネバリを持つエサでありながら、使用中のエサに適宜追加することで、ネバリのコントロールが自在にできる点も見逃せない。また、元来ネバリの強いエサは練ってはいけないという誤解があるようだが、決してそのようなことはないと横山は言う。確かに練り込み過ぎるとエアーが抜けてしまい、麩の粒子の密着度が増して開きが損なわれる恐れがあるが、『カルネバ』に関してはそのような心配は皆無だ。むしろ手水を加えながらどんどん練り込むことで使えるタッチの幅が 広がり、今まで使いこなせなかったような極ヤワタ ッチのエサが持つようになり、アタリの持続性アップやカラツンの抑止効果にも期待が持てると言う。

■特徴5.あらゆるタナに適応(タッチ自由自在)
先に述べたように『カルネバ』を加えることで、強いネバリがありながらエアーの噛ませ方次第で重さを自在に変えることができるが、こうした性能は深浅どんなタナにも適応可能であることを示している。さらにブレンドパターン兇里茲Δ法▲屮譽鵐蛭耄┐鯤僂┐襪海箸妊椒愁織奪舛砲盪転紊欧襪海箸できるので、タナの深浅だけではなくあらゆる場面で幅広くマッチすることが想像できる。取材時まだ活性が上がりきらないへら鮒に対し、横山は手水でしっとりタッチに調整したもので良いウキの動きを導き出していたが、記者には 超極ヤワタッチと感じるエサでも上層に寄ったへら鮒のアタックに耐え、タナに入ってからのエサの膨らみで、みごと食い気のスイッチを入れて見せたのである。

ネバリといえば一昨年登場し大きな反響を呼んだ『粘麩』があるが、現在では多くのアングラーに受け入れられ、両ダンゴの釣りを中心にセット釣り用のバラケのブレンドにも加わり、新境地を切り開いている。いま、このコーナーをご覧になっている読者諸兄のなかには「ああ、あの『粘麩』の軽量バージョンか」と受け取られた方もいるかも知れない。確かに文字だけみれば『粘麩』の対極にあるエサのように誤解されてしまう恐れはあるが、その開発コンセプトも構成される材料もまったく別物であり、いわばゼロから見直すことで生まれた新次元のエサであることは、実際に手にしていただければ一目瞭然であろう。
同じようにネバる素材として使われているものに『粘力』があるが、使い方にはある種のコツがあるのと同時に、途中で追い足す際の難しさに二の足を踏むアングラーも少なくないと聞く。昨年このコーナーで石井忠相氏が紹介した、一旦麩材(取材時は『凄麩』)と『粘力』を混ぜてから基エサに加えてネバリを増すという調整方法も近年普及してようだが、やはりいつでもどこでもそのまま加えるだけで簡単に調整できる便利さは捨て難い。そういった意味では『カルネバ』は、使い方も使い手も選ばない究極の両ダンゴ用ベースエサとして、無くてはならないエサとなるに違いない。 取材の最後に新エサのポテンシャルがどれほどのものなのか、記者のリクエストで単品仕上げとした『カルネバ』の水中でのエサ持ち性能について見せてもらったが、動画でも明らかなように、エサの芯はまったくと言って良いほど崩れることはなかった。止水状態なのでバラケ具合については本来の性能は未知数だが、試しに上下に動かしてみると、動いた分だけ適度に開くといった感じで、やはりエサの中心部分は微動だにしない。このことはなにものにも代え難い安心感につながり、思い切った攻めの釣りが可能になるであろうと、今から盛期の両ダンゴの釣りが待ち遠しくて仕方がない。
 
   
 
 
  「僕の思いとしては、個性は強いがクセの少ない使いやすいエサにしたというのがあって、落としどころと言うか、仕上がりにこだわったことで開発に時間がかかった経緯がある。それだけに満足いくエサが出来たと自負しているが、このエサの真のポテンシャルは使っていただく多くのアングラーによって引き出され、さらに高められると思っている。新たなブレンドなどは今後の新エサの開発のヒントになるので、良いアイディアがあったら参考にさせてもらうよ(笑)」
へら鮒釣りの基本であり原点である両ダンゴの釣り。開発陣の熱き思いが込められた新エサで、新次元の両ダンゴワールドを体感してみてはいかがであろうか。
 
   

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