2021年に発売したへら鮒エサ新製品「ダンゴの底釣り 芯華」と「カクシン」。発売以降、皆さんからの高評価をいただいたこと、大変ありがたく思っております。
この2品、いつから開発が進んでいたの?とよく聞かれます。実際のところ、「ダンゴの底釣り 芯華」は4年前、「カクシン」は5年前までさかのぼります。
まずは、「ダンゴの底釣り 芯華」の開発秘話からお話ししましょう。
昔からマルキユーの「ダンゴの底釣り」シリーズは、無敵だ!何を出しても敵わない!と言われ続けてきました。確かに今でも釣れますし、王道のエサだと思っています。「ダンゴの底釣り」が発売されてからは「ダンゴの底釣り競技用夏」「ダンゴの底釣り競技用冬」「底力」「POWDER BAIT SUPER BOTTOM」など、さまざまな底釣り用ダンゴエサが開発されましたが、ことごとく敗北。理由としては、使いやすい、使い慣れている、適度にバラけるので浮きが動く、比重が重すぎず丁度よいなど、さまざまな意見を一般ユーザーより耳にしました。
でも、何か見落としている部分があるに違いない…。そこで、あえて単品でどこまで釣れるものなのかを試してみました。四季折々の変わり目には、必ず単品での底釣り。そこで気が付いたのは『ハリにエサが付いていないと釣れない』という根本的なこと。単品だと、それが年間通じて不十分であると感じたのです。
加えて、粉と水の比率がわかりにくい。もっと簡単にしたいと思い、実際に試作し、開発メンバーのA氏に相談しました。釣り場を選ばず、どこでもアタるエサにしていこうと二人の意見が一致。流れ川から山上湖、管理釣り場、釣り堀まであらゆる場所で数年間テストした結果、完成したのが「ダンゴの底釣り 芯華」でした。
『バラケで寄せるのではなく素材で寄せる!』この一点に着目したエサ持ち重視の発想が、一般ユーザーに受け入れられたときは、心から安堵できた瞬間でした。
続いて「カクシン」の開発秘話です。
ある開発スタッフとの会話で『軽いダンゴしか釣れないんだよね、今の釣り場って』という話を耳にしました。当然、その当時の製品ラインアップでも十分軽いダンゴエサはできるのになぁ……と思いましたが、実際に作ってみるとあら不思議。全くエサが持たない。持たないから練ると重くなる。だから練りたくないけど、ハリにはしっかり付いていてほしい。
それがヒントとなって誕生したのが「カクシン」だったのです。
軽さを求めると芯ができない、芯を作ると目詰まりして重くなる。この試作を延々と繰り返していたのですが、ふとしたことでよいヒントを見つけ、瞬く間に製品内容が詰まっていったのを今でもはっきりと覚えています。きっかけとなった詳細はここで書くことはできませんが、今までも使用してきた原材料の中にそのヒントが隠れていました。単純に、原材料の持っているポテンシャルを100%引き出せていなかっただけ……。そして、一つの原料ではなく、複数の原料が揃ってはじめて相乗効果でよい部分だけを引き出せるとわかったのが、この製品の根幹を支えてくれています。
開発担当を引き受けてくれたB氏をして『このエサ、完璧!!』とまで言わしめる、自信を持ってお薦めできる製品です!
両製品とも、発売後に大きな反響をいただいたことで、さらなる製品内容の充実と向上に邁進しております。これからも、皆さまのご期待に沿える製品を世に出せるよう、精一杯頑張っていこうと思います。