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トーナメント勝利へのキーワード

「藤原義雄」
マキエ術

藤原 義雄 
ふじわら よしお

1950年徳島県鳴門市生まれ、その後和歌山県田辺市転居。本格的にグレ釣りをはじめたのは22歳の時。それまではチヌ釣り、投げ釣りに夢中になっていた。和歌山県釣連盟初代名人位。GFG関西所属グレ闘友会会長。がまかつフィールドテスター、東レフィールドテスター、マルキューインストラクター。

短時間勝負!
それがトーナメントの宿命
あらゆる状況を想定!
配合エサ選びは慎重に
特徴を生かした
配合エサの使い方
実戦では”釣る”がすべて
考えるマキエワークを…
ブレンドパターン

短時間勝負!
それがトーナメントの宿命

マキエは、グレ釣りでは一番大切な役割を担っています。特にトーナメントではマキエは非常に大切で、なんと言っても短時間決戦という制限がある中で、一投一投のマキエが勝敗を決するからです。そんな重要なマキエは、おろそかに作ってはいけません。自分の釣り方に合ったマキエ作りをして、なおかつ、そのマキエが自分の意のままに撒けるように仕上げなければならないのです。
 トーナメントは皆さんもよくご存じのとおり、あくまでも対戦者との戦いなので、この相手より沢山釣らなければゲームには勝てません。ポイントをミスしたり、もたもたしていると時間にどんどん追い込まれていきます。そうなるとマキエを撒く所もバラバラになってしまったりして、結果的にグレを散らしてしまうことにもなりかねません。そうならないためにも、どこをどう釣るかをいち早く判断し、的確にマキエを撒くことが勝利へとつながっていくのです。

あらゆる状況を想定!
配合エサ選びは慎重に

 トーナメントではクジによって磯が決まってしまう。したがって、自分がどんな磯に渡るかはまったくわかりません。潮の流れが速い磯なのか、サラシが強い磯なのか、波が高い磯なのか、風が強く当たる磯なのかなどで、好条件が揃った磯などはほとんどと言っていいほどないのが現実です。しかしながら、どんな磯に渡ろうとも、どんな条件であっても絶対に釣りこなさなければならないのです。ですから、配合エサもどんな条件下でも対応できる調合をすることが大切になります。
 トーナメントの前日に試し釣りをするのもいい方法ですし、できない場合は事前に船長に状況を聞いたりしておくことです。そうすることでエサ取りの様子、水温、魚の大きさ、タナなどを把握することができます。マキエ作りもそれらのことを念頭に置いて配合エサを選びます。
 私の場合、トーナメント仕様として次の配合エサをよく使います。「グレパワー遠投」「グレパワースペシャル遠投ふかせ」「パワーレスキュー」「浅ダナグレ遠投」など。

特徴を生かした
配合エサの使い方

 「グレパワー遠投」は、より遠くにマキエを飛ばすために使用します。遠投タイプの配合エサの中で、飛ばすためには最強の部類に入ります。ポイントが遠いとき、横風や向かい風が強いときなどの状況では絶対に欠かすことができません。
 「グレパワースペシャル遠投ふかせ」は、これはまとまりがとても良く着水後に大きく拡散し、同時にスロープ状に沈下してグレを浮かせてくれる配合エサです。比重が小さい(軽い)のでゆっくり沈みますから、マキエと仕掛けの同調がしやすい配合エサで、グレを浅いタナまで浮かせてくれます。
 「パワーレスキュー」は、波で海水がバッカンに入ってしまったときとか、雨が降り込んでマキエが柔らかくなってしまったとき、少し「パワーレスキュー」を足してやるだけでまた元のような状態にしてくれます。

実戦では”釣る”がすべて
考えるマキエワークを…

 これらの配合エサはできるかぎりきっちり混ぜ合わせます。実戦でのマキエワークは、まず、足元にヒシャクで何杯かを撒きます。そして、エサ取りの様子を見ます。
 まず、エサ取りが多いようなら、仕掛けを投入する前に足元に5〜6杯ぐらい撒きます。そして、ポイントにも少し撒きます。それから仕掛けを投入し、マキエを仕掛けの上に2杯ぐらいかぶせます。
 この方法でエサ取りにすぐ付けエサを取られるようであれば、そこよりもさらに沖へマキエを撒いて、仕掛けをその地点に投入します。それでもだめなら更に沖を、という具合にして釣ります。ですから、マキエはできるだけまとまりのある状態にきっちり作ることが大切になります。
 次に、エサ取りがあまりいない場合は、マキエをできるだけバラケさせます。マキエを撒く時の感じとしては、バラッバラッという感じになります。その真ん中に仕掛けを投入します。次にすぐ仕掛けの上にマキエをかぶせます。一気に浮いてくるグレを釣る作戦です。
 マキエの真ん中に付けエサを入れたらすぐエサが取られてしまう状況なら、マキエの外側の縁にウキを運ぶようにして、少しマキエとずらすようにしてやります。
 そして、マキエと仕掛けを合わせるとキープサイズが釣れないときです。この時は、マキエを撒いた所よりかなり離れた所に仕掛けを入れます。マキエは仕掛けにかぶせません。これでもエサ取りが多いようであれば、足元にエサ取り用のマキエをしっかり撒きます。
 タナも浅い方から深いタナへとさぐっていきます。
 とにかく、大会に出場した場合、規定寸法によって釣り方を変えなければなりません。ということは、釣り方も変わることになります。木っ端グレとエサ取りを念頭に置いて、マキエと付けエサを同調させるのかずらすのかなどを考えて仕掛けを投入して下さい。

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