マキエの役割は実に多様で
釣り人の強力な助っ人だ!
マキエが切れれば魚との縁が切れる、と昔から言われているが、魚釣りにとってマキエは不可欠のものだ。グレ釣りとて例外ではなく、オキアミ単品であるか配合エサとのブレンド物であるかを問わず、必需品の一つである。
さて、トーナメントでは、グレをより多く釣り重ねた者が勝利者となるのだが、それはひとえにマキエの力によるものであり、それがまたマキエの役割だ。
グレ釣りも、最近では一年中エサ取りとの戦いの連続だが、そのエサ取りもある程度寄せることで、ここにマキエ、エサがあるぞとグレに教える役目を果たすことになる。つまり、グレの食欲、摂餌意欲をかきたたせる存在なのだ。
そして、時間をかけて撒いていると、しだいにグレが肉眼で確認できる所まで浮上してくる。さらに、このグレの警戒心を和らげ、タナ・遊泳層を浅くさせ、活性を持続させるのもまたマキエだ。
また、たとえば磯際と沖めにマキエを打ち分けることにより、本命とエサ取りのエリアを区分けしてグレを釣りやすくすることもできる。
当然のことながらトーナメントでは対戦相手がいるが、たとえば一定のインターバルでマキエを撒くことによって、自分のポイントからグレが相手側のエリアへ流出しないように足止めを食わせることも可能なのだ。
このように、マキエはグレの活性を高めるだけでなく、深いタナや遠く潮下まで幅広くアピールしてくれる一方、釣り人に多くの情報、アドバイスを提供してくれるありがたい味方といえよう。
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状況別、条件別
配合エサの選び方
ひと口にグレ釣りと言っても、狙うグレが口太なのか尾長なのかにより、潮流の速さや釣る季節によって捕食ダナが違ってくる。配合エサはそれらの状況、条件によって使い分けが求められる。
まず、秋口でグレの活性が高い場合。
そこではエサ取りがグレ以上に活発に動くので、比重の軽いタイプをメインにブレンドし、グレを上層部に浮かせるようにする。エサ取りは海面上のマキエに群れて上層部にとどまり、マキエの食い残しが下へ落ち、それをグレが捕食し、しだいに良型までが浮いてくる――。
私はエサ取りの種類も数も多い時には「グレパワースペシャル遠投ふかせ」や「分離グレ」などを使用して、粒による視認性を重視する。またエサ取りが少なければ「グレパワー」「イワシパワーグレ」などの匂いで寄せる配合パターンになる。
次に、寒グレ期で水温も15℃前後と低く活性がゼロに近い場合。
グレは大きな動きは見られず、動いたとしても安全と考えられる磯際を平行移動する程度で、底まで落ちてくるエサは、はなはだしくは口元に落ちたエサしか口にしないほど渋い。特に1〜3月には、ほとんど底に静止していることが多い。このような食い渋り状況下での配合エサは「イワシパワーグレ遠投」「グレパワースペシャル」など比重が大きく瞬時に深ダナまで落とし込んでグレにアピールできるタイプの配合エサを使用する。
強風、向かい風のポイントや、エサ取りの分離作戦や遠投が要求されるポイントの場合は、「グレパワースペシャル遠投ふかせ」「パワーレスキュー」を入れてマキエのまとまりを強め、狙ったポイントに確実に撒き入れることができるマキエに仕上げている。
最後に、深いポイントや尾長グレが好む流れのある場所。「グレパワースペシャル」のような比重のある配合エサを主体に、潮流の中でも安定した摂餌帯を作り出せるブレンドで…。 |
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軽いマキエ、重いマキエは
それぞれの特徴を生かして
水温が20℃を越えて推移する時、海の中はまだ夏。エサ取りは種類も数も所狭しとばかりに活発だ。このエサ取りを本命ポイントから切り離さなければ、グレまでエサを届けることはできない。これを手助けするのが比重の軽いパターンの配合エサだが、その作戦は――。
マキエの中の軽い粒子が海面近くに浮遊しエサ取りはこれに群れる。この状況で撒き続けると、なかなか下層まで落ちてこないエサにいらだったグレが、1匹、また1匹と浮き上がってくる。この浮上したグレの食いを持続させ確実にヒットさせ、エサ取りとグレの二段層のポイントを作り出す…楽しみの一つである。
一方、寒グレの季節には…。グレの適水温を下回り、活性を上げるのはどう考えてもむずかしそうなパターン。この時は釣り人側から攻めなければならない。この時の配合エサは、すでに述べた通り比重の重いタイプとなる。グレがタナ深い所にじっとしているのに、軽いエサでははるか沖合まで流れてポイントをぼやけさせてしまう。
しっかりしたポイントを作って、多少でもグレを浮上させ、少しでもその活性を高め、摂餌の線と帯を作り上げるのは比重の重い配合エサのブレンドである。このパターンでは、ポイントを一点に作り上げることが可能。仕掛け投入と落とし込みが楽にできるのが特徴で、「グレパワースペシャル遠投ふかせ」を加えることにより、強風下でも確実なポイント作りや投入を容易なものにできる。
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実戦では、無意味な
マキエ投入は厳禁!
まず、秋口のエサ取り対策を考えてみよう。一定のインターバルでマキエを撒いてみて、エサ取りの種類、数、活性などを確認してから本格的な釣りを始めること。さもないと、あたり一面エサ取りだらけになりかねない。そこで、グレのポイントとエサ取りのポイントをはっきり分けるマキエワークが求められ、グレのポイントをいかに早く作り上げるかがカギとなる。
具体的には、潮溜まりの場へエサ取り用に2杯ほど入れ、次いでグレ用に1杯打ち、すぐにエサ取り用を2杯というパターンになる。そして、エサ取り用にはアピール度を高めるために音を立てるぐらい力強く打つことで、沖へ出ようとするエサ取りに足止めをくわせる。グレ用のマキエは、一定のインターバルで投入することでグレにも学習してもらい、活性と食いを安定させるようにつとめる。
ただし、トーナメントでは対戦相手がいる。そこで、とくに活性の高い時期には不規則なマキエ打ちは厳禁となる。結論から言えば、相手が3杯打ったらこちらは5杯打つという形で、自分の前のポイントにグレが居着いているようにつとめることだ。
そしてグレが寄り始めたら・・・マキエは”切る”ような投入を施して、エサ取りの注意を引かないようにする。
要は、いかに無駄のないマキエ打ちをするかということになるが、私の基本は仕掛け投入前、仕掛け投入後、仕掛け回収前にそれぞれリズミカルにマキエを打つというパターン。もちろん、その間にエサ取り用のマキエも入れているのだが、これもその日の状況を判断してのことで、絶対に無意味、無駄なマキエをしないように心がけている。
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