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思い通りのマキエワーク
これがトーナメントでは大切!
トーナメントでは、実戦でのマキエの大切さを身にしみて感じることが多い。それは、マキエの撒き方、マキエワークというよりも、それ以前のマキエ作りそのものがキーポイントになっているからだ。
各メーカーの全国大会の予選、決勝戦は、グレ釣りにしては比較的早い時期に行われているせいで、海水温が高い。磯際にはエサ取りが多くて釣りづらいパターンでは、狙いづらい磯際よりも、遠投して直接沖めを攻める釣り方が魚のアタリをとりやすい。潮の動きのある釣り場であれば、磯際に入れたマキエは潮に乗って潮下に流れるので、エサ取りが多くてもマキエの潮下を狙っての釣り方で対処できるものの、潮が動かない、または潮の動きの悪いポイントで沖めを狙うときは、仕掛けの投入点に合わせてマキエを遠投し、沖めにグレを浮かせたい。このときも、無風状態あるいは背からの追い風ならいいが、横風や向かい風がそこそこ吹く釣り場では、遠投ができるまとまりのあるマキエでなくては思い通りのマキエワークができない。
マキエ作りの大切さはここにあって、その時期や狙うポイントによって、あらかじめその使い方をイメージして作っておかなければ、いざ実戦という時に使いにくい、極端に言えば役に立たないマキエではどうにもならなくなってしまう。なんとかなるといった考え方では、トーナメントでは通用しない。
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狙うポイントやタナなどで
配合パターンは変化する
その重要なマキエだが、私の配合例を皆さんに紹介しよう。
パターン1
遠投性を重視したタイプ。より遠投性を高めたい時は、オキアミを細かくカットして十分に配合エサとなじませる。この時、海水を少量ずつ加えながら混ぜておく。海水量が少なくても多すぎても使いやすいマキエに仕上がらないので、海水量の微調整は特に念入りにしておきたい。
パターン2
潮が良く動く釣り場とか、エサ取りがあまり気にならない時期には、遠投にこだわらないマキエが使いやすい場合が多い。遠投性を高めたマキエは、ヒシャクで投げた後固まってドボンと落ちるので、磯際を狙ったり広げて撒きたい時にはあまり好ましくない。
磯際から少し沖めまでバラバラと撒くマキエのパターンは、海水温が低下してからの時期には特に効果的と言える。それは、固めてマキエを入れて浅いタナを狙うには、マキエの真ん中に付けエサを合わせれば、中・小型のグレは水面近くまで浮き上がって食ってくるから釣りやすい。しかし、ある程度深いタナにいるグレをターゲットにするには、マキエの広がりを作っておかなくては付けエサとマキエの同調は計りにくい。この場合のマキエ作りでは、オキアミはあまり細かくカットしない。配合エサを入れて、海水を多めにいれる。と、言ってもビチャビチャになっては使いづらいので、少し多めにする程度だ。
使いやすいマキエとして理想なのは、そこそこ遠投も効くがヒシャクを横に振り切れば思い通りにバラケてくれる…というモノ。
オキアミと配合エサとの混ぜ合わせ方、また、海水量の微調整がここでも大切になる。使う時のことを考えて、時間と手間を惜しまず、しっかり作るようにしたい。
気を配って作ったつもりのマキエでも、状況によっては作り直さなければならないこともある。たとえば、雨が降ってマキエに水分が多くなってしまった。渡船での移動中に波シブキが入ったなどの場合などで、備えのために必ず予備の配合エサは1袋持っておきたい。ただ、大会によっては配合エサの使用限度をあらかじめ決められているので、その場合には予備として必要最小限を用意したうえで、マキエを入れたバッカンへの気配りを怠らないようにする。
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配合エサは必ず予備を…
マルキューには多くの種類の配合エサがある。その中からどのタイプの配合エサを選ぶのか?と、釣り人によく尋ねられる。配合エサを選ぶ基準は、遠投性と拡散性を重視するが、これは相対する性質のものだ。
また、パン粉などの比重が軽く細かい粉末の成分を主体として作られた配合エサに対して、麦やペレット状のある程度粒の大きなものを多く含む配合エサ、言い換えれば沈みの速さの差ということになるが、私としてはその両面を持ち合わせたマキエ作りなので、必ず2〜3種類を用意して対応している。
主に使用するのは「グレパワー遠投」「イワシパワーグレ遠投」「グレパワースペシャル遠投ふかせ」「グレパワーV9」だ。それらに加え濃縮集魚エキス「グレにこれだ!!」を1本。
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コントロールミスを
最小限にとどめる技術を!
さて、実戦でのマキエワークとしては、マキエを遠投したいときにはロングシャフトのヒシャクが有利になる。ロングシャフトのヒシャクは遠投性能が高くなるだけでなく、立ったままで腰や膝を曲げずにマキエをすくえるので、体力的にも非常に楽で、釣りそのもののスピードも必然的に良くなる。今では磯際を狙う場合にも愛用している。
余談になるが、ライフジャケットの左下のポケットのあたりに、付けエサを入れるための小さなエサ袋を取り付けることで、腰や膝、または体をひねるといった動作を最小限にすることができるので体力的に非常に楽になる。ロングシャフトのヒシャクとエサ袋の共用は、トーナメントにおいて大いに役立ってくれている。
マキエと仕掛けを遠投して沖めをダイレクトに狙うには、マキエの投入とそれに合わせた仕掛けの投入のコントロールが課題になる。遠投して沖めを狙うため、マキエも仕掛けも当然コントロールミスによる”ズレ”が生じやすく、その修正もしにくい。
私も超遠投での釣りは得意ではないが、広島や岡山の釣り人たちは実に器用に超遠投でのマキエワークをこなしている。遠投する機会が多ければ、当然それなりの技術が身についてくるもの。”ズレ”の少ないマキエと仕掛けのコントロール技術を身につけることに励みたい。 |
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